私のおすすめ

映画、ゲーム、忘れたくないものを書き留める(ネタバレ注意)

最強のふたりは触れられない

 

 

2011年の映画『最強のふたり(intouchables)』を観ました。

 

 

 

“首から下が不随の富豪を

 貧困層の移民の若者が介助していくうちに

  友情にも似た絆が芽生えていく”と言うお話。

 

あ~はいはい、

よくあるお涙頂戴ってね。そういうあれね。

 

なんて、思わずに

 

 

 人生ってなんだ、く〇そったれめとお考えの方はぜひ、

心のデトックスのためにも

ぜひ観てほしい!

 

 

 

 

目が離せない113分

映画のジャンルとしてはコメディに分類されている。けれど…

 

私はヒューマンドラマだと思うくらい重たいと感じた。

 

舞台のフランスの富裕層と貧困層の格差や移民に対する姿勢など

とにかく平和な日本じゃ考えられない程ダークでリアルな背景が見え隠れしていて

マスクやキックアス、テッドのようなコメディとはまっっったく違う。

 

脳みそ空っぽにして涎たらしながらポップコーン片手に見れる映画じゃなかった。

 

 

逆に重いからこそ笑えるところで素直に笑えるという感じ。

 

映像に対して自分が素直になっていく不思議な感覚をご堪能いただけます。

 

 

 

だからこそなのか

セリフの一つ一つ、挙動、眉のかすかな上下、唇の震えまで

全部が大切なシーンのきっかけになっていたりするので

 

とにかく目が離せない!!トイレにも行けない!

 

 

人生だってそう、見逃していいことなんて一つもないよな…と考え始めたら、

 

もう最強の二人の人生のワンカットを見ている気持ちになってた!これは映画じゃない!一つの人生やで!

 

 

 

 仲良しの具現化

 

 首から下が不随の大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)

貧困層の移民の若者、ドリス(オマール・シー)が

 

お互い音楽が好きだと共通項目を見つけるも

まっったく趣味が合わない。

 

オペラやオーケストラ、クラシックが好きなフィリップと

R&Bやダンスミュージックが好きなドリス。

 

もうふたりは趣味がA5ランクの和牛ステーキとiPadくらい違う

 

だけどこの二人はそれでも仲が良いのだ。

だって最強のふたりだから。(極浅)

 

むしろフィリップは、自分の誕生日会で呼んだオーケストラの演奏後に

ドリスがスピーカーからブギー・ワンダーランドを流して踊るのに対し、

 

周りがぎょっとしている中一緒になって楽しそうに見ている

(しかも結果的にその場に居た全員踊って楽しんでいた

 

 

ドリスはフィリップの趣味でオペラ座へ鑑賞しに行ったら

自分なりに楽しんで(手をたたいて腹を抱えて笑って)いた

 

もちろん教養などスラムで教わったことのないものだから

会場で手をたたいて笑うなど以ての外なのに

それに対して激怒するわけでもなく

一緒になって笑うフィリップ。

 

仲良しか!!!!

 

いやああああ!!心の中の汚いものが洗い流されていく!!!

 

この感情は何!?!?!?

 

ちなみにフィリップは絵も嗜む(鑑賞する側)が、

ドリスもそれを理解しようと思ったのか、理解が出来ないからなのか、

大きなキャンバスに、絵を描いて、フィリップに披露する。

 

もうフィリップの周りの人たちは

「おいおい勘弁してくれよ…」と言わんばかりだったが

 

フィリップはその絵を飾った。

 

 

そして気に入らない知人に超高額で売り付けることに成功し、

きちんと代金を作者のドリスに支払っていた。

 

口先の魔術師 フィリップ。

恐るべし。 

 

出会いがあると

胸の奥が冷え性の指先でくすぐられるみたいに

切なくなる別れがあります。

 

鑑賞中に「やめて…やめて…」って呟いてました。

 

だってあんなに仲良かったじゃない。

 

苦しむフィリップを助けたくて

夜風にあたろうってドリスが夜中に連れ出したり

 

一緒に大麻吸ったり、ドライブしたり

 

一緒にホットドッグ食べたり

 

風俗嬢呼んだりしたじゃん。

 

し た じ ゃ ん !!

 

必要な別れなのかもしれないけど

 

 

あんまりだよ・・

こんなのってないよ・・!!

 

何がどうしてどうなったか?

この辺は私としてはぜひ観てほしいシーンなので

(みんな経験したことあるような、回避不可能な人間関係のそれが

生々しくて、現実だったら最悪のパターンじゃん。ねえ!なんで映画なのに現実と同じ道をたどるの!!ねえ!!!ってなりました)

 

一緒に胸の奥を切なくしましょう。

 

 音楽が素敵

アイスブレイク的に聞いてください。 

 

劇中に使われている曲が、

心の柔らかいところを

もこもこの泡でやさし~~く洗われている気持ちになる。

 

ルドヴィコ・エイナウディ氏(作曲)は

ピアノの鍵盤で人の心を洗えるようです。

iTunesでサントラ買っちゃった。

 

 

最強なのはフィリップであり、ドリスでもある

 

ドリスの素直さが

意地っ張りわがままフィリップを周りの環境に対して心を開かせるし

 

フィリップの知性が

おこちゃまドリスに考える事、物事への向き合い方を教える

 

二人が一緒にいることで、一人の人間よりも最強になる

 

だから最強のふたりなんだろうと

私は考えています。

 

 

観る前

「いやもうこれなんてホ〇モだよ」(死ぬべき失礼さ)

観た後

これは紛う事無き愛やで…

 

えっ!

私の感性、低すぎ・・・?!

でも本当にこうなります。 

 

良い映画です。

 

 

忙しい現代人諸君。

 

心のどろどろ

 

この映画で洗えますよ。

 

 

今日はここまで