私のおすすめ

映画、ゲーム、忘れたくないものを書き留める(ネタバレ注意)

ミシュラン三ツ星が最高のレストランなのか?

 

 

2015年の映画『二ツ星の料理人(BURNT)』を観ました。

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“一度失墜した凄腕のシェフが

かつての仲間を集めてミシュランの星を獲る”と言うお話。

 

あ~はいはい。よくあるやつね。

なんて、思わずに

 

飲食に携わっている人達には是非見てほしい!

 

 

あっと言う間の100分

 

見所はたくさんあるけれど、

とにかく画面いっぱい映っているもの全部が

 

とっっっっっっても綺麗!!!

 

 

舞台であるロンドンの街並み、レストランの内装、料理。

 

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どれもこれも綺麗で、目が離せなくなる。

 

作中に出てくる賄いのミートパイは

飯テロどころの騒ぎじゃない

 

たとえおなか一杯でも

せめて一口食べてみたいとさえ思う。

 

 

そして個人的にこの映画の好きなところは、音。

 

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人々の革靴の足音、ナイフとフォークがお皿に当たる、フライパンの、コールドテーブルに皿が並ぶ、木べらと鍋がぶつかる、じゅわじゅわとヒラメが焼きあがる

 

 

香ばしいオリーブオイルの中で跳ねる海老の

 

 

熱したテフロンパンの上で滑るバターの

 

 

ちゃかちゃかとリズミカルに溶かれた卵がバターと絡まってふわっふわのオムレツになる、

 

!!

 

 

もう音だけで脳味噌から快楽物質がどっばどば出て

 

「あ、今日の夜フレンチ食べに行こ。」

 

と脊椎反射的に考えてしまうほどに、この映画は音もいい!!

 

もはやASMRよ。

 

ミシュランの覆面調査員

 

調査員の正体は不明。

食べて帰るがある傾向がある

 

決まった手順を踏むことだ

彼らは二人一組

 

常に予約は7時半

 

一人が早めに来てバーに

連れは30分後に来る

 

コースとアラカルトを注文

ワインと水も頼む

スーツ姿で礼儀正しいが

床にフォークをそっと置いて

君たちが気づくか試す

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この映画の見どころの一つ、

強敵(?)ミシュラン

 

この映画ではミシュランの覆面調査員の特徴が

ものすっごくリアルに設定されていて

 

(もしかしてこの特徴、マジなのか…?)

 

と思うほど。

 

観ててワクワクが止まらない!

 

 

心の臓を鷲掴みにされるような人物描写

 

 主人公のアダムが調理場でぶち切れるシーンは

観ている自分も調理場の一員として緊張してしまうほどリアルだし


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アダムに振り回され、ふつふつと怒りをためていくミシェルの視線は背筋が凍るし、

 

張りつめた糸が静かにぷつっと鳴るような裏切りの瞬間は

 

エッッ…そんな、嘘だろ…

 

と思わず呟いてしまう程。

 

この映画、身体の支配率半端ないって…。

 

 

私の一番好きなシーン

 

ミシェルの裏切り…もとい仕返しを受けたアダムが

 

自暴自棄になってライバル、

リースの店へ乱入するシーン。

 

もうこのシーンが本当大好きで、たまらなく愛しいと思う。

 

 

まばたきする音すら聞こえるんじゃないかというくらい

静かで、荘厳で、神聖さを感じるリースのレストランの厨房。

 

そこへまるでワイングラスを叩き割るように侵入する、アダム。

 

混乱する調理場でただ一人

何かを察し すぐさま人払いをする、リース。

 

綺麗な映像とは裏腹に

 

アダムの大声で歌い、暴れる姿は

 

心が壊れるぎりぎりで自己防御本能が働いているんだなと

 

全力で感情移入してしまうシーンでした。

 

 

そして 大声で歌っていたアダムが

 

瞬間、歌をやめ、暴れるのをやめ、

 

呼吸を終わらせるように一言。

 

 

 

「死にたい」

 

 

 

もうこんなにも一緒になって悲しい気持ちになるシーンはない!

 

見てて苦しい!!

 

だれか助けてくれ!!!

 

 

そう思って苦しんでいると

 

 

リースが!

 

初オープンの日にさんっざん「葬儀ダー」だなんて皮肉を言ってきたリースが!!

 

 

アダムの復活が悔しくて自慢の店の中のもの(店長の全財産)を全部破壊したリースが!!!

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そのままアダムを神聖であろう調理場で寝かせ、

 

 

朝はまるで励ますように自分が作ったオムレツ(作中で一番美味しそう)を振る舞い

 

 

「敵の前で惨めだな」、そんな皮肉を言いながらも

 

 

アダムの「なぜ助ける?」という問いかけに対して

 

 

 

「必要だから」

 

 

 

 

 

 

っあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

 

これなんて理想のライバル!?!?

 

これだよこれ!!!

 

現代社会に足りないものはこれぇ!!!!!!!!!!

 

 

 

観たら「あ~はいはいよくあるやつね」とは思えなくなる!

 

むしろ何度でも観たくなる!そんな映画。

 

メリハリがあり、音も、映像も耽美で

 

ストーリーはシンプル且つ王道。

 

それなのに心にじんわり残るものがある。

 

忙しい現代人にぜひ見てもらいたい!!

 

 

じんわり残るもの。これは観てないとわからない。

 

絆とか、チームワークの大切さとか、そんな安い言葉じゃ形容できない。

 

人それぞれ、受け取るものが変わるような

 

そんな映画でした。

 

 

『本当の最高は、ひとりじゃできない』

 

youtu.be

 

今週中にもう一回観よ。

 

 

1ツ星でもルーク-スカイウォーカーさ。

今日はこれでおしまい。